すい臓がん名医・病院

すい臓がん名医・病院

膵臓がんは早期発見の比較的困難な癌であることもあって、消化器がんの中でも非常に治療成績の悪いがんです。日本膵臓学会の全国調査でも、切除例の5年生存率(手術から5年経過後の生存確率)は約20%しかありません。

すい臓がん治療で成果を挙げている病院

■東海大学病院(神奈川県)
東海大学病院消化器外科は、外科、放射線科、内科などのチーム医療で好成績を挙げているトップクラスの医療チームである。手術ができたすい臓がんの5年生存率は約25%、手術件数は年間に約50例で、いずれも全国トップクラスです。同科の今泉俊秀教授はすい臓の手術をこれまで1000例以上経験してエキスパート。
「すい臓の頭の部分(すい頭部)にできたすい臓がんには、すい臓、胆のう、胆管、十二指腸を切除して、残ったすい臓、胆管などを腸とつなぐすい頭十二指腸切除術を行います。手術時間は平均約4時間半と非常に短く無輸血です。再発予防のために術中照射にも取り組んでいます」と今泉教授は語る。
術中照射とは手術中に、がんを切除した後、がんのあったところに放射線を照射する治療のこと。外科手術室から放射線治療室に患者を移動させて、約5分間放射線を照射する。
 退院後は外来で、ジェムザールを中心にした化学療法を続け、
週1回ずつ3週間注射して1週間休みを繰り返す。約6カ月間行う。
「最近ではほかの経口抗がん剤も試みて、治療成績の向上に努力しています」とのことである。

■大阪府立成人病センター(大阪府)
すい臓がんは肝臓に転移しやすい癌だが、大阪府立成人病センターの消化器外科は、98年に肝転移の予防に有効な術後2―チャンネル化学療法を世界に先駆けて開発したことで有名な医療機関である。この療法は手術後に、肝臓につながる肝動脈と門脈の2つの血管から抗がん剤を注入して、肝転移を予防するという治療法である。現在、同科では手術前に放射線療法でがんの進行を抑えたうえで手術を実施し、術後2―チャンネル化学療法を加えた治療法などにも取り組み、進行すい臓がん(ステージW)に
対しても40%以上の非常に高い術後5年生存率を誇る。
 「すい臓がんは、手術をしても局所再発や肝転移が高い確率で起こります。そこで、局所再発予防を目指した術前放射線療法や、肝転移予防に有効な術後2―チャンネル化学療法を組み合わせることで、手術後の5年生存率を向上させてきました」と
石川治副院長は説明する。
 また、すい臓がんの早期診断のための検診システムも世界に先駆けて導入し、早期微小すい臓がんの発見に取り組む。
「早期のすい臓がんで手術を行った場合、5年生存率はほぼ100%です」と石川副院長は説明する。

■名古屋大学病院(愛知県)
名古屋大学病院の消化器外科2は、81年に肝臓につながる門脈(静脈)に浸潤した進行すい臓がんに対する門脈合併切除術式を開発したことで大変有名で知られる。
「それまでは門脈への浸潤を伴うすい臓がんは切除困難で、手術を行うことができませんでした。新しい術式の開発で、手術が安全に行えるようになりました」と中尾昭公教授は説明する。
この新術式の登場と普及によって、手術のできるすい臓がんの症例数が飛躍的に増加し、その安全性も飛躍的に上昇したと説明する。また、術後の再発予防を目的にした抗がん剤の感受性試験でも治療実績を持つ。手術時に切除したがん細胞の一部をシャーレに移し、その中に抗がん剤を入れて培養し、効かない抗がん剤、効く抗がん剤を調べる検査である。
「この検査で個々の患者さんに最も効果的な抗がん剤を選び出して、術後の補助化学療法を行っています。こうしたオーダーメード治療で成績の向上に努めています」と中尾教授は説明。
 最近では遺伝子研究を応用した抗がん剤の感受性試験にも取り組んでいるとのことである。

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